2007年3月3日土曜日

ERPの功罪

 ERPの出現によってシステム開発の有り様は大きく変わりました。半完成品のパッケージソフトに必要なシステム設定(膨大なパラメータを与える)を行い、さらに追加機能があれば付属の開発ツール用いあるいは外部とのインターフェイス機能に別の開発ツールでプログラムを作成するという、10年以上前は珍しかった開発が当たり前のように行われるようになりました。
 ここで生じるメリットなんといってもエラーデータがパッケージの中に入りこまないため一定のデータの精度が確保されることなんだと思います。プログラムとデータどちらが大切かといえばデータです。極論すれば、仮にプログラムを消失してもまた作れば良いのですが、データはその時点でしか取得できなかったり重要な取引情報であったりすることが少なくないからです。
 一方で促成栽培のコンサルタントが増加し、かつ彼ら彼女らがシステム開発の主導権を握ってしまうことです。一番おそろしく感じるのは技術的な裏づけのないまま追加機能の仕様を決めてしまい、おそろしく複雑なプログラムが出来上がることは珍しくありません。彼らの多くは残念ながらプログラミング理論や開発言語の特性を知らないのです。いくらでも代案が用意できたのにと悔しい思いをすることはコンサルタントの資格の無い私にはよくあります。従って、追加機能が整理されず全くERPの利点が生かされないシステムになることもあります。ERPの特性と開発に習熟した中間的立場の技術者の育成と評価の向上は不可欠だと私は感じることがよくあります。

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